ついにバージョン11、「macOS Big Sur」発表。少し引き上げられた動作条件とApple Siliconへの移行。

ビッグブラザーではありません、ビッグサーです。WWDC20基調講演にて「macOS Big Sur」が発表されました。なお、基調講演は終始VTRでしたね。

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で……まさかのVersion 11.0ですってよ、奥さん↑

動作条件はMacBook Air(Mid 2013)以降、MacBook 12インチ全機種、MacBook Pro(Late 2013)以降、iMac(Mid 2014)以降、iMac Pro 全機種、Mac mini(Late 2014)以降、Mac Pro(Late 2013)以降とのことで、少し引き上げられました。私のMac mini(Late 2014)も観念してアップグレードすべきか、Mojaveを貫くべきか、悩ましいところです。

これらに、年末登場予定の「Apple Silicon」搭載Macが加わるわけですネっ。私が経験したハードのアーキテクチャ移行はPowerPCからIntelへの一度きり。その時はUniversal BinaryとRosettaがいい感じに働いてくれたおかげか、大変苦労したという記憶がありません。むしろ、Macユーザになった直後のMac OS X発表から、Mac OS 9のネイティブ起動が消えるまでの期間は楽しみつつも混乱の極みにあった感があります。

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あの頃のおかげで、率直なところ今回はずっと冷静に聞くことができました。Appleもさすがに三度目だけあって、まだIntel Macの新製品が控えていること、移行には2年かけること、早々にUniversal 2とRosetta 2の存在を明かしたことなど、ユーザの不安を払拭する努力が伝わってきましたよ。ただ……2年かぁ、昨年末に買ったばかりのMacBook Proはあと何回メジャーアップグレードできるのやら!

最新モデル Apple MacBook Pro (13インチPro, 16GB RAM, 512GB SSDストレージ, Magic Keyboard) - スペースグレイ
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Boot Campを利用する方は、お早めに。Virtualizationも移行の切り札として登場しましたが……あくまで仮想環境ですからねぇ。

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珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記、全7回のまとめ。

1975年発売の珊瑚「沼尻ガソ101」キット製作記をまとめておこう。まとめのまとめも作らなきゃと思いつつ幾星霜……。

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< 沼尻鉄道の車両製作はこれっきりになるかも = である調 >


〜 前口上 〜

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その1。日本型HOナロー黎明期のキット全容。(2020/06/15)

〜 切って削って引っ付けて 〜

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その2。ヘッドライト穴を開け、車体を一気に組む。(2020/06/16)

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その3。この上なくスムースに進むと思いきや、屋根板の取り付けに思わぬトラブル。(2020/06/17)

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その4。集電ブラシを除けばとても効率的な動力の組み立てを済ませ、塗装前作業終了。(2020/06/18)

〜 雨天の隙間を縫って塗る 〜

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その5。梅雨時の憂鬱な塗装。これぞ「GM鉄道カラー 沼尻ブルー」。(2020/06/20)

〜 仕上げは軽く 〜

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その6。黒染め・窓セル入れ・微調整を経て……完成!(2020/06/21)

〜 見慣れた姿を再確認 〜

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その7。45年前のキットが形を現す、写真特集号。おまけ動画付き。(2020/06/22)

日本硫黄沼尻鉄道部〈上〉 (RM LIBRARY 113) - 青木 栄一
日本硫黄沼尻鉄道部〈上〉 (RM LIBRARY 113) - 青木 栄一

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その7。45年前のキットが形を現す、写真特集号。おまけ動画付き。

< 質量55g = である調 >


毎度おなじみ写真特集号でござ〜い。

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軽便鉄道ファンにとっては食傷気味なほど見慣れた姿じゃろ↑ 今回のガソは乗工社ボールドウィンよりも高い「完全素組み」度を達成。だからどーしたと問われても、自己満足なんだからええじゃないか。そうそう、勝手に「沼尻ブルー」認定したGM青22号の緑っぽさが伝わるだろうか。

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非公式側後方より↑ 妻面以外に変化は見られない。ゴツゴツと並ぶリベットが功を奏し、45年前のビンテージ模型とは思えぬ精密感が漂う

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お顔をアップ↑ うーむ……さ、さすがにディテールのユルさが露見するなっ。ラジエターなど、エッチングの表現云々よりまず薄さが気になっちゃう。隣の「工具箱」のほうが立体的だし、古いホワイトメタル製にしてはキレがあるもんだから、余計にね。

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後ろの繊細なバスケットはさすが↑ 素組み方針でなければ、少しだけ開きかけの状態でも再現して立体感を増してやりたいところだな。

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裏返して下回りをチェック↑ 軸受以外のディテールがなく、潔い。

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単端の比較ということで、モデルワーゲン根室拓殖鉄道ちどり号と並べてみた↑ ほぼ同じ製造時期なのに、雨宮と日本車輌ではそのスタイルを著しく異にする。ま、両運転台車として落成した本車の経緯を踏まえれば当然かもしれない。

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一方、模型の発売日には43年もの隔たりがある↑ 奇しくもモデルワーゲンより「沼尻のガソ101Ⅱ」が発表されちゃったよ。現時点での決定版が約束された逸品となろう。


最後に……短い走行動画をお届けしよう↑ なかなか賑やかな騒音を奏でるわりには滑らかな走りといえる。それよりも案の定、集電に難ありだ。踏面に当てる極細のリン青銅線がすぐに汚れてしまい、通電不良をきたす。この動画を撮る前も少しは磨いたんだよっ。加えて、モーター位置による重量バランスの悪さが判明。走りを優先するなら、まともな集電ブラシに交換してモーターの反対側へウェイトを積むだけでも大きく改善すること請け合いだ。

写真でつづる懐かしの沼尻軽便鉄道―沿線 人々の暮らし・よろこび - 『懐かしの沼尻軽便鉄道』編集委員会
写真でつづる懐かしの沼尻軽便鉄道―沿線 人々の暮らし・よろこび - 『懐かしの沼尻軽便鉄道』編集委員会

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珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その6。黒染め・窓セル入れ・微調整を経て……完成!: パワーリンゴ(2020/06/21)

珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その6。黒染め・窓セル入れ・微調整を経て……完成!

< 窓セルに指紋を付けぬよう持ち上げるのに気を遣う = である調 >


いよいよラストスパート。ま、大した作業はもう残っておらん。塗装後の工程が少なくて済む車両こそ至高(は?)。

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真鍮ネジなどの小物をいさみや常温黒染め液で染める↑ 写真に載っていないパーツ(ギヤ軸など)も、後ほど追加で黒染めした。

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アングルを避けつつ窓セルを入れる↑ 大きく切り過ぎたため窮屈だ、なにやってんだか。でも、古い車両のわりに窓が大きいので貼りがいがあるなっ。

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塗装した下回りの主要パーツ↑ 軸受やラグ接点に塗っていたマスキングゾルを忘れずに剥がす。しばしば塗装後に通電不良をやらかしてしまうワールド工芸よりも単純な構成ゆえ、まず大丈夫。

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塗装前の仮組みで述べたとおり、動力の組み立てはとっても簡単↑ あえて難を挙げるなら、モーターから遠いほうのギヤフレーム固定ネジが、第2軸と干渉して非常に回しづらいこと。2, 3mmでも手前にあれば楽チンなのに……。

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下から見るとこんな感じ↑ 集電ブラシの傾きはちゃんと修正したよっ。ギヤと軸受にはタミヤ接点グリスを塗布しておく。モデルワーゲン製の後部カプラーのみプラスネジ固定だが、「唯一非純正な箇所」のマーキングと前向きに捉えるのだ。今どき、真鍮挽物のマイナスネジなんて容易に入手できまい。

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これにて完成だぜベイベー↑ 「黎明期の古典キット」なる先入観から、もっと素朴な(はっきりいえばチープな)仕上がりを予想していたけれど……なかなかどうしてキレの良さや精密感が漂うじゃないか。おっと、感想文は次回の写真特集号でお伝えしようそーしよう。

楽しい工作シリーズ No.126 透明プラバン0.2mm B4 5枚 (70126)
楽しい工作シリーズ No.126 透明プラバン0.2mm B4 5枚 (70126)
HOe専業なら、これひとつで一生分をまかなえそう。

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珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その5。梅雨時の憂鬱な塗装。これぞ「GM鉄道カラー 沼尻ブルー」。

< 珍しくGMカラーのツートンで決まった = である調 >


先に言い訳しよう。塗り始めが梅雨入りと被ったうえ、ぐんと暑くなったのに薄め方が冬のままだったため、塗膜表面が肌荒れ気味になっちまったぜ。だから塗装は嫌いなんだよっ(全部自分のせい)。

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まずはいさみやカラープライマーで下塗りし、車体全体に「グリーンマックス(GM)クリーム1号」を吹く↑ 沼尻クリームには少々血色の悪いGMがピッタリ、異論はことごとく却下だ。

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窓回りをマスクして、工具箱も忘れず「GM 青22号」で塗装↑ 当初、この色に緑か黄を混ぜて若干緑がかった青を表現するつもりだった。ところがどっこいテストピースへ塗ってみると「いやいや、まさしく沼尻ブルーじゃん!」つーことで、混色するまでもなかったわけ。まぁ、色の感じ方は人それぞれだし、今となっては古いカラー写真でしかお目にかかれぬ車両ゆえ正解などアルマーニ。実際問題、世に数多ある国鉄103系スカイブルー完成品の色すら千差万別らしいじゃないか。

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マスキングテープを剥がしたところ↑ 本来ならマスクの補助となり得るウインドウシル/ヘッダーも、非常に細くエッチングされており、かえって神経を使ったわ。加えて、実物が段付きシルゆえに腰板の塗り分けラインはもう少し下に位置する。段が再現されていない本品の塗り分けラインをどこに定めるかはモデラー次第だな。

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「クレオス黒+白」をテケトーに混ぜて、端梁を黒に近いグレー、屋根をもちっとだけ明るいグレーに塗る↑ 思うところあって、面倒でも屋根板のコバの途中で塗り分けた。それ以外の小パーツや下回りも、端梁と同じグレーで塗装

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前のヘッドライトケースのみ「クレオス ジャーマングレー」で筆塗りし、レンズ部に「タミヤエナメル クロームシルバー」を差した

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前妻へラジエターと工具箱をエポキシ接着剤で固定する↑ 写真で見慣れた顔とようやくご対面。

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ところで、施工する効果がビミョーだったために紹介しなかったポイントをいちおう述べておこう。ラジエターを貼る箇所の車体リベットを削り取ったり、工具箱裏の、リベットやウインドウシルと当たるところを浅く削って、それぞれの密着度向上を図ったのだ↑ 手間に見合うかどうか、うーむ。

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後妻にはバスケットをゴム系で接着↑ 説明は端折るが、初めてゴム系接着剤の本領を見た気がする。

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歴史遺産級ビンテージモデルに精緻なインレタは無粋かと躊躇したものの、結局アルプスモデル製を転写した↑ 腰板が無駄に広いのでグッと引き締まるな。

最後に「クレオス クリアー+スーパースムースクリアー」の半光沢クリアでトップコートし、塗装終了〜。例の薄いウェザリングもなし。なにせ連日の天候不良で作業時間の確保が難しくてねぇ。ま、塗装なんぞこの時季にやるもんじゃないわなっ。

KATO Nゲージ 通勤電車103系 KOKUDEN-001 ブルー 3両セット 10-035 鉄道模型 電車
KATO Nゲージ 通勤電車103系 KOKUDEN-001 ブルー 3両セット 10-035 鉄道模型 電車
阪和線沿線住民としては、103系のスカイブルーと113系の快速帯に一家言ある……のか?

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珊瑚模型店「沼尻ガソ101」製作記その4。集電ブラシを除けばとても効率的な動力の組み立てを済ませ、塗装前作業終了。

< これまた超・年代物のキャラメルモーター、通電一発で回転 = である調 >


塗装前の工程は今回が最後となる。まことに心地よいテンポだな。

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取り付け直前に発覚した屋根板の短さはともかく、開封時点でちと残念に感じたのが集電ブラシだ。絶縁側のマイナスネジにハンダ付けしたφ0.2リン青銅線を車輪踏面に当てるだけ↑ The Critter's Club OFFICIAL様で紹介されている初期完成品には、ちゃっかり帯板が組み込まれているではないか。ひひ、卑怯なっ。

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おまじない程度に先端付近をゆるく曲げておいた↑ 素組み方針へのこだわりが過ぎたかもしれん、せめてφ0.3線に交換すべきだったかも。軽くて不安定なNゲージならともかく、そこそこ重いHOeにφ0.2は柔らかすぎて頼りない。

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片方のラグを床板にハンダ付けし、絶縁側ラグを上記集電ブラシ付きネジに通してナットで共締め↑ ウォーム打ち込み済みのキャラメルモーターをホルダーに差し込めば動力機構が完成する。大変効率的で感心しきり。モーター側が前とのことだが、ディテール・構造的には逆にしても不都合なさそう。

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裏から伝達機構をチェック↑ アイドラーギヤがデルリン製で静穏化に期待できる……と思いきや、乗工社ボールドウィンの塗装前試走よりちょっとマシ?くらいの騒々しさ。大丈夫かこれ?

そうそう、車輪の絶縁もボールドウィンと同じ、金属・プラ輪心の構成で実現している模様。肉眼では材質の差が見分けられずテスターで測る始末だ、情けない。

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で……上回りをかぶせるとピクリとも動かなくなった、ヤッタネ。「当たるかもなぁ」と危惧していたら案の定、絶縁側六角ナットと車体内側のアングルが接触しちゃうのだ。アングルを削ってナットとの距離を十分確保し、事なきを得た↑

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上下を4本の皿ネジで止め、カプラーも仮組みしておく↑ そういえばカプラーの組み立てをすっ飛ばしていたな。キットにはダミーの朝顔カプラー(唯一のロスト製!)と取り付け金具が一つしか含まれていなかった。これを前側に付けて、後ろはケーディーなりお好みでっつーことだろう。前に連結する予定はないものの、モールドのピン穴をドリルで貫通し、コの字ピンやモデルワーゲン朝顔カプラーシステムとの互換性を確保。後ろはモデルワーゲン沼尻用をネジ止めすることに。

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非常に繊細なエッチング抜きで名高い(?)荷台のバスケットは、この段階で一体化しておく↑ 以上でハンダ付け作業が終了した、早い早いっ。

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塗装前洗浄を終えたパーツ一式↑ バスケットとラジエター・工具箱(説明書の表記)は塗装後に接着する予定だ。ラジエターはエッチング+プレス、工具箱が唯一のホワイトメタル製となる。しかも軸受はドロップ製。つまり、これほど小さく簡単なキットに金属鉄道模型の技法がほぼ網羅されているわけで、いやはやお見事と申すほかなかろう。

ところで、病的なマニア(失礼!)がうごめくナロー界の知見をもってしても「工具箱」の謎は今なお決着がつかないようだ。もはや鉄道趣味におけるミレニアム問題の様相を呈しておるな(懸賞金はないけれど)。現時点では燃料タンク予想が有力なのか……いずれにせよ時間を経るほど証明が難しくなるあたり、数学より厄介かもしれん。

燐青銅板 0.1×100×180mm 1枚 42091
燐青銅板 0.1×100×180mm 1枚 42091
素組み方針でなければ帯板で作っていたよ。

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< 素組みの呪縛がなければ屋根板を延長するほうが簡単・確実 = である調 >


どんどん進めよう。

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前後のひさしをハンダ付けする↑ 実車どおり取り付け位置をウインドウヘッダー直下に定めたが、窓開口部と重なるせいで隙間がなかなか埋まらない。この写真の後も何度かやり直したわ。メーカー完成品はヘッダーに重ねているように見え、実際それでも全然ヘンじゃない。

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ヘンといえば、本キットに含まれる挽物パーツがえらくプリミティブな形状でねぇ〜。その代表格たるヘッドライト、前側は足をテケトーに曲げて穴に差し込む後ろ側はプリミティブなまま差し込んで固定。その後、室内に出っ張った足を平らにヤスり取っておいた。

次に妻面幕板の上辺を屋根のRに合わせて削り、屋根板を取り付ける……淡々と記したが、実は屋根板の長さが車体全長とピッタリ(か僅かに短い!)で大いに焦ったわっ。いくら私が間抜けでも車体の組み方に間違える余地などナッシング。よしんばコの字の接合箇所を少しヤスるべきだったとして、そうすると運転席側窓の窓枠が内・外張りで大きくズレてしまうんだぜ。

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ともあれ予期せぬ事態に憤っても時間の無駄だから、幕板をビミョーに内側へ曲げたり、上辺を斜めに削ったりしてぎりぎりフォローできたかどうかっつー具合に↑ やはり事前の仮組みの大切さを痛感するばかりだけれど、今回みたいな想定外すぎる件はまたやらかしそうな予感しかしない。なお、模型では側面から見て一直線の屋根も、実車は両端が少し絞られていたようだ。

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気を取り直して、挽物のベンチレーター2個を屋根板の裏からハンダ付け↑ 実物は一般的な構造のグローブ型と思われるも、ヘッドライト同様シンプルな形に留まっている。

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下回りに移ろう。組み立て済みのギヤーフレーム+軸受を床板にネジ止めするだけで両軸の伝達機構ができあがっちゃう↑ 素晴らしいっ。まぁ、逆にいえば調整余地がほとんど残されていないわけだが。

で、写真のように仮組みしたのはモーターホルダーの固定位置を探るため。ウォームの噛み合い量がこれで決まるからねぇ。私の入手した個体は床板を削ってかなり前進させる必要があったわ。

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位置が決まれば、床板とホルダーの底面をツライチに合わせ、ハンダでがっちり固める↑ ここは芋付けするしかアルマーニ。ついでに挽物のカプラー座も取り付ける

以上で塗装前の工程も九割がた終えてしまった。説明書の口上から察するに、本製品は当時より入門向けだったのだろう。価格と組みやすさの追求を慮れば甘いディテールも許容できるし、今となっては「味」にすらなる。だからこそっ、返す返すも屋根の長さがぁ〜〜。

絵とき「プレス加工」基礎のきそ (Mechanical Engineering Series) - 吉田 弘美
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< 角丸の車体はプレスが活きる = である調 >


ではでは上回りから組んでいこう。まず、ヘッドライトの取り付け穴を開けるのだ。もともと両端(?)だったガソ101は、妻面も含めて点対称の窓配置。したがって妻・側板を構成するパーツが同形状で2組入っている。模型メーカーにとっちゃ量産しやすいドル箱製品だったのかも。

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ところが実車のライトは前と後ろで取り付け高さが違うため、穴あけをユーザに丸投げしたってわけ。ま、いうほど厄介な作業でもない。前側は幕板下方にφ0.6mmドリル刃で開孔

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後ろ側は中央の窓枠に開けた↑ あとで付けるひさしと当たらぬよう、ウインドウヘッダーから少し下げておく。実のところ後部ライトの固定方法は実物と全く異なるのだが、素組み方針ゆえ説明書やメーカー完成品の写真に準拠した次第。

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コの字に一体プレスされた妻+側板へ内張りをハンダ付けする↑ そうそう、本キットに限らずプレス部品は事前に歪み取りやかえり(バリ)の修正が欠かせない。今回は内張りのドア付近にヤな歪みが生じていて、悪戦苦闘するもついに取りきれなかった。

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妻面の窓枠も取り付けて、ライト穴を開け直しておく↑ 二度手間と思われるかもしないけれど、小径ドリルの場合は、貼り合わせて厚くなった板を一時に貫通するより楽だと思うよメイビー。

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さぁて意を決して……ふたつのコの字を合体っ↑ 完璧な接合とは程遠いものの、自分が納得いく範囲に収まればOK牧場なのさ。幸運にも私の場合、やり直しの面倒な作業ほど製造公差が緩くなるフレキシブルスタンダードをモットーとしている……一番あかんやつか、さよか。

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両妻面下端に端梁をハンダ付け↑ けっこう複雑な実車の端梁回りを、のっぺらぼうなプレス板1枚でカタを付けるセンスが見事だ。いや皮肉じゃなく素直に感心するのよ。出来上がってもさして違和感を覚えないしね。ところで、こうやって眺めると高さのわりに幅が狭い馬面気味の顔だったんだなぁ。もっと正方形に近い先入観を持っていたぶん新鮮な発見だわ。

日本硫黄沼尻鉄道部〈下〉 (RM LIBRARY 114) - 青木 栄一
日本硫黄沼尻鉄道部〈下〉 (RM LIBRARY 114) - 青木 栄一

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< またキャラメルモーターか = である調 >


前回の大物から一転、ミニマムクラスの動力車に手をつけるゾ。

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珊瑚模型店の「沼尻ガソ101」である↑ 年代物の小箱から察せられるとおり1975年発売らしく、日本型HOe 1/87 9mmの黎明期に登場した骨董品だな。前々回紹介した乗工社木曽ボールドウィンをさらに遡るってわけ。

同社はファンが多いようで、ナローに限っても『The Critter's Club OFFICIAL』様が製品情報を網羅してくださっており、工作や本連載執筆では終始参考にさせていただいた。ありがたや〜ありがたや〜。

なお現役だった中学生時代の私にとって、珊瑚模型は「16番の9600ばかり作っている会社」てなイメージが強くてねぇ……当時読んでいた鉄道模型趣味誌(TMS)の広告で9600以外が載っていたことを覚えていないほど。

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例によって全パーツ集合写真を撮る↑ たしか本業(?)だけあって、真鍮プレスのオンパレードときた。部品点数が少ないうえにギヤフレームと軸受が取り付け済みだなんてサイコーじゃないかっ。

実車すなわち日本硫黄沼尻鉄道部の雨宮製単端式気動車「ガソ101」については、私のテケトーな解説など不要だろう。ひとつ告白するなら、両運転台車として竣工し、のちに単端へ改造されるという珍しい経歴は最近になって知った次第だ。また、長い運用期間中に幾度か細部が変更されており、本キットは末期に近い形態がプロトタイプと思われる。

製作方針は乗工社ボールドウィンと同じ「完全素組み」で決まりだなっ。今さらディテールアップにこだわるアイテムでもあるまいし、自分より年上のキット製作記は全て「歴史遺産シリーズ」とでも銘打って素組みに徹するのもやぶさかではな……にゃい。

写真と図面で楽しむ鉄道模型〈2〉珊瑚模型店の小宇宙 - 阪 和明, 禎志, 岡倉
写真と図面で楽しむ鉄道模型〈2〉珊瑚模型店の小宇宙 - 阪 和明, 禎志, 岡倉

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大連載、ワールド工芸Nゲージ「国鉄C54形 従台車原型」製作記、全22回のまとめっ。: パワーリンゴ(2020/04/21)

簡単な金具を作り、「ポータブック XMC10」のキーボードを畳んだまま入力可能にする。

先月書いた『「ポータブックXMC10」のキーボードを、畳んだ状態で入力可能にする方法。内部のスイッチを倒すだけ。』の件について、極私的には畳んだ状態でもキー入力できたほうが便利に違いないと確信し(どんな使い方しとんねん)、再度バラして内部スイッチを倒した状態で固定することにしました。

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ぴょんと跳ね上がっているスイッチがキーボード + フィンガーマウスのオン・オフスイッチ↑ これを倒すとオンになります。テープをベタ貼りするだけで十分でしょうが、すぐ近くのマザーボード固定ネジを活かそうと考えまして、

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真鍮エッチング端材から小さな金具を作成↑ えぇ、いつもの工作中だったもんだから……ついでに作ったって感じぃ〜。

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金具でスイッチを上から押さえつけてネジ止めしました↑ t0.3板だとスイッチ本体上面とツライチになり、本来このスイッチを倒すアーム側突起と接触する恐れもありません。

以上、キーボードを畳んでもキー入力できるポータブックの出来上がり〜。ただし、メーカーがわざわざオフにする機構を組み込んだ理由は、ユーザビリティの演出にとどまらぬクリティカルな問題回避を含んでいる可能性もあり得ます。真似をされる方は全て自己責任かつ可逆的方法でどうぞ。

Teenitor 耐熱ポリイミドテープ 幅10mm×長さ33m×厚さ0.06mm カプトン粘着テープ 電気絶縁用テープ ポリミドテープ 耐熱性テープ 絶縁耐熱テープ
Teenitor 耐熱ポリイミドテープ 幅10mm×長さ33m×厚さ0.06mm カプトン粘着テープ 電気絶縁用テープ ポリミドテープ 耐熱性テープ 絶縁耐熱テープ
スイッチのテンションは弱いものの、夏の暑さで剥がれかけたりすると厄介です。広くベタっと貼って粘着面積をかせいだほうがよさそう。

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