iWork各アプリがアップデートされ、ようやく日本語の縦書きに対応。

待望の、というより待ちくたびれた方も少なくなかろうiWorkの日本語縦書きがついに実現しましたね。

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記念すべき各バージョンはPages 8.0、Numbers 6.0、Keynote 9.0↑ 全てのアプリでシェイプ・テキストボックス内の縦書きに対応、加えてPagesでは書類全体の縦書きも可能となりました。Pages 1.0が2005年なので14年もかかったことになります。

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私は、テキストエディットが先んじて縦書き対応を果たすもiWorkが追随する気配を一向に見せず「AppleはPagesの縦書きを実装する気がないのかもしれない」と諦めモードだっただけに、今回の件は意外でしたねぇ。

ただ、個人的にワープロソフトで縦書きする機会が皆無に近く、関係ないといえばそのとおりです。日本語の縦書き自体をしないわけではなく、ごく稀に必要な場合はIllustratorのほうが手っ取り早いという事情です。

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ゆえに、今回のアップデートで十分な機能を持っているのかどうかは検証していません。それでもまぁ、ようやくMac用「日本語ワープロソフト」のひとつにカウントできる体裁は整ったかなと思いますよ。今後、テンプレートに年賀状や原稿用紙が加わわれば、本気で使ってみようと考える方も増えるのではないでしょうか。


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以前書きましたが、昔の気難しいWordに比べ、とても素直な一太郎の印象が残っていて、Mac版一太郎の登場(正確には復活?)が私にはもっとも嬉しい状況ですねぇ。

「macOS Mojave 10.14.4」配布。こちらのSafariも「安全ではありません」。

Appleが「macOS Mojave 10.14.4」を配布しています。

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システム環境設定の「ソフトウェア・アップデート」からどうぞ。効能書きは以下(英文御免)。
The macOS Mojave 10.14.4 update adds support for Apple News+, includes bug fixes and improvements, improves the stability and reliability of your Mac, and is recommended for all users.

Apple News+
Apple News+ is a new subscription service that extends the Apple News experience with hundreds of magazines and top newspapers
Our editors handpick top articles and magazine issues, and you also get personalized recommendations on the topics most interesting to you
Automatic downloads make it easy to read magazine issues offline
Apple News is now available in Canada, with a free experience that includes handpicked Top Stories, a personalized Today feed, and support for both English and French
Apple News+ is available in the U.S. and in Canada, with dozens of additional Canadian magazines

Safari
Adds Dark Mode support for websites that support custom color schemes
Streamlines website login when filling credentials with Password AutoFill
Allows push notification prompts only after interacting with a website
Adds a warning when an insecure webpage is loaded
Removes support for the expired Do Not Track standard to prevent potential use as a fingerprinting variable; Intelligent Tracking Prevention now protects against cross-site tracking by default

iTunes
Shows more editorial highlights on a single page in the Browse tab, making it easier to discover new music, playlists, and more in Apple Music

AirPods
Adds support for new AirPods (2nd generation)

More
Supports Air Quality Index in Maps for US, UK and India
Improves the quality of audio recordings in Messages
Supports real-time text (RTT) for phone calls made through a nearby iPhone on Mac
Provides enhanced support for external GPUs in Activity Monitor
Fixes an App Store issue that may have prevented adoption of the latest versions of Pages, Keynote, Numbers, iMovie, and GarageBand
Improves the reliability of USB audio devices when used with MacBook Air, MacBook Pro and Mac mini models introduced in 2018
Corrects the default screen brightness for MacBook Air (Fall 2018)
Fixes a graphics compatibility issue that may occur on some external displays connected to Mac mini (2018)
Resolves Wi-Fi connection issues that may occur after upgrading to macOS Mojave
Fixes an issue where re-adding an Exchange account may cause it to disappear from Internet Accounts
Fixes an issue where AOL user passwords may be frequently requested in Mail

For more detailed information about this update, please visit: https://support.apple.com/kb/HT209149
For detailed information about the security content of this update, please visit: https://support.apple.com/kb/HT201222

Apple News+や第2世代AirPodsの対応など、新サービス・製品に関わる内容が含まれていますねー。で、

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iOS 12.2同様、SafariのURLボックスに『安全ではありません』表示ががが↑ さすがにiOS版よりはボックスの幅がずっと広いので実害は少なめでしょう。それでも鍵アイコンのみ表示のオプションが欲しいなぁと思います。


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「iOS 12.2」配布。Safariの「安全ではありません」表示がどーーん。

スペシャル弁当の録画をまだ観ていないトビです。すでに報じられている内容からするに、いずれ観るのかも怪しいです。ともかく、Appleが「iOS 12.2」を配布しています。

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iOSデバイス単体もしくはiTunes経由でアップデートしてください。効能書きは以下。
iOS 12.2には、4つの新しいアニ文字が追加されました。このアップデートにはバグの修正および改善も含まれます。

アニ文字 
・iPhone X以降、iPad Pro 12.9インチ(第3世代)、およびiPad Pro 11インチに、4つの新しいアニ文字(フクロウ、イノシシ、キリン、サメ)を追加。

AirPlay
・コントロールセンターおよびロック画面に専用のTVコントロールを追加し、素早くTVコントロールにアクセスが可能。
・ビデオ用AirPlayマルチタスク機能によりその他のAppを閲覧可能。また、AirPlayを中断せずにデバイス上の短い形式のオーディオ/ビデオファイルを再生可能。
・AirPlay先をコンテンツ内容に応じてグループ化し、再生先のデバイスをより速く見つけることが可能。

Apple Pay
・Apple Pay Cashの利用者は、Visaデビットカードを使用して銀行口座に送金が可能。
・Wallet Appで、カードの下にクレジットおよびデビットカードの最近の利用履歴を表示。

スクリーンタイム
・休止時間のスケジュールを曜日別に設定可能。
・新しい切り替え方法により、簡単にAppの制限を一時的にオンまたはオフにすることが可能。

Safari
・パスワードの自動入力機能により認証情報を入力したあと、Webサイトに自動的にサインイン可能。
・暗号化されていないWebページを読み込んだときに警告を表示。
・ユーザ識別のためのフィンガープリントとして利用されるのを防ぐため、トラッキング停止要求(Do Not Truck)機能への対応を削除。インテリジェントトラッキング防止機能により、デフォルトでサイト越えのトラッキングを防止。
・スマート検索フィールドの検索語句を検索候補の横の矢印アイコンをタップして変更可能。

Apple Music
・“見つける”タブで、1つのページにエディターからのハイライト情報をより多く表示し、新しい音楽やプレイリストを見つけることが可能。

AirPods
・新しいAirPods(第2世代)に対応。

このアップデートには以下の改善およびバグの修正も含まれます:
・“マップ”で、アメリカ、イギリス、インドの空気質指数に対応。
・“設定”に、デバイスの保証期間の有効期限に関する情報を追加。
・iPhone 8以降、iPad Pro 12.9インチ(第3世代)、またはiPad Pro 11インチで、AT&Tの5G Evolutionネットワークの通信圏内にいることを示す“5G E”アイコンを表示。
・“メッセージ”で、オーディオ録音の品質を改善。
・iOS上のApple TV Remoteの安定性およびパフォーマンスを改善。
・不在着信が通知センターに表示されない場合があった問題を修正。
・必要がないにもかかわらず、“設定”に操作を促すバッジが表示されることがあった問題に対処。
・“設定”>“一般”>“iPhoneストレージ”で、サイズの大きなApp、システムのカテゴリー、およびその他のカテゴリーがストレージのバー表示で正しく表示されないことがあった問題に対処。
・“ボイスメモ”で、車のBluetoothデバイスに接続すると自動的に録音が再生されてしまうことがあった問題を修正。
・“ボイスメモ”で、一時的に録音の名称変更ができない場合があった問題を解決。


このアップデートのセキュリティコンテンツについては、次のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/ja-jp/HT201222

小数第一位のアップデートということで、ボリュームのある内容ですね。さっそく自分のiPhone SEもアップデートしたのですが……

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非httpsサイトでは『安全ではありません』の文字列がURLボックスを占有↑ 世の趨勢とはいえ、鬱陶しい表示ですねぇ。せめて鍵アイコン有無の表示に切り替える設定があればなぁと探してみるも、残念ながら見つかりません。本件も大事ですが、URLそのものの確認も相変わらず重要だと思うので、もう少し工夫してくれるとありがたいですね。


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ところでGoogle ChromeもMojaveのダークモードに対応しました。

AELが無い……OLYMPUS「TG-5」の不満点を5つ挙げる。

現時点で、オリンパス TG-5が備えるタフネス性能の中でも「耐衝撃」の恩恵に幾度となくあずかっているトビです。やはり危なっかしい場所へ持ち出すデジカメとして最高ですねー。

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ただ、使っていくうちに不満点が溜まるのも事実で、以下に列挙してみます。

1. 独立したAEロック(AEL)機能がない。

2. 手袋をすると指がしょっちゅう写り込んでしまう。

3. 露出がオーバー気味。

4. 絞り優先AE(Aモード)の存在意義が微妙。

5. 細い紐を通す一般的なストラップホールがない。


まず、1. 独立したAELがないのはかなり厄介です。小センサーコンデジはもともとダイナミックレンジが狭く、タフネス系はさらに狭い印象があります。コンデジで意図どおりの露出を得る簡単・確実な手段がAELなだけに、慣れ親しんだリコー機ではスタンダードなCXシリーズも含めて多用してきた手前、余計に困ってしまいます

ならばと、置きピン派の私が普段使わないAFターゲット選択で対処しようとすると、選べるフォーカスエリアが妙に狭いときたもんです。いちおう独立したAFL機能があります(AEはロックされない)から、しばしばそれで対処しています。

本件は3.の露出特性も絡んでいて、「露出基準調整」なる設定項目がわざわざ用意されています。しかし、上述のようにタフネス系は特にダイナミックレンジが狭い……というか、白飛びの耐性が極端に低く感じます。タフネス性能と白飛びしやすさは無関係に思えるのですが、不思議ですねぇ。

2.はレンズがセンターにあるTGシリーズの弱点。そもそも本機のボタン類が小さく、厚い手袋をはめての操作性はよくありませんGRっぽいコンサバティブなデザインに惹かれた自分としては痛し痒しです。

4.のAモードは購入前から期待しておらず、個人的にはまぁ、問題ではありません。広角端でF2.0・F2.8・F8.0、望遠端でF4.9・F6.3・F18の3段階あるように見えるものの、実際に絞られるのは開放から1段のみで最小絞りは内蔵NDフィルターによるものと思われます(望遠端でレンズを観察するとよくわかります)。1/2.3型クラスで1段絞っても、画作りの差がわかる方がほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。Aモードを載せるのなら、小絞りボケの影響が大きいのかもしれませんが、開放と最小の2つでいいからNDではなくちゃんと絞り込んで被写界深度の違いをはっきり出せるようにしてほしいところです。リコーR8〜CX1の「最小絞り固定」は、その点よく考えられていました。

5.について、本機が活躍する場所では自作ブラックラピッドもどきとの相性が抜群で大いに結構なのです。一方、日常利用では普通のストラップと組み合わせたいのに、幅広用の金具では細い紐タイプとの塩梅がよくありません。ま、このへんはあくまで私の好みに限った話ですね。

こんなところでしょうか。いずれにせよアラ探しなんて簡単なものですし、それを差し引いてもTG-5の完成度が非常に高いことを実感しますよ。末永く続いてほしいシリーズです、ハイ。




AFLも「シャッター半押し時にOKボタンを押す」とっさに操作しづらい方法。

関連記事 関連記事:

7月下旬発売のOLYMPUS「TG-6」、同時発表の純正レンズバリアが気になる……。 パワーリンゴ/ウェブリブログ(2019/06/14)

オリンパス TG-5の「LI-92B」バッテリーは、RICOH「DB-100」より分厚かった。 パワーリンゴ/ウェブリブログ(2019/03/21)

オリンパス TG-5の「LI-92B」バッテリーは、RICOH「DB-100」より分厚かった。

オリンパス TG-5は絶好調ですよ……いや、一度だけ0度近いところで電源が入らなくなりました、えぇ〜〜。バッテリーの抜き差しで復旧し、その後は普通に動作していますから、たぶん大丈夫きっとメイビー。

そのバッテリーに関して、私がTG-5を選んだ理由の一つに「リコーのDB-100が流用できる」点がありました。残念ながら、購入直後に勘違いだったことが判明。

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ご覧のとおり、形は同じでもオリンパスLI-92Bのほうが分厚いのです↑ 当然ながら容量も異なり、LI-92Bが3.6V 1350mAhでDB-100が3.7V 950mAh。形状や容量から、GR IIIに採用されたDB-110と同型と思われます。

確かに、薄いだけで端子形状・配置が全く同じDB-100にスペーサーを噛ませてTG-5に挿入すれば動作するはずです(スペーサーすら入れずに試したところ、普通に動きました)。けれども、リチウムイオンポリマーバッテリーの扱いは慎重になるべきですし、常用するには容量が少なすぎるので、おとなしく正規のバッテリーを用意したほうが無難でしょうね。

ところでLI-92BやDB-100の形状は、天地左右どの向きにもバッテリー室へ挿入できてしまうのが欠点。片方を角張らせれば左右の間違いがなくなり、角張った一箇所を小さく切り欠けば(容量に影響なく)天地の間違いもなくなって誤挿入を完全に防止できると思うのですけれど。


OLYMPUS デジタルカメラ用 リチウムイオン充電池 LI-92B
オリンパス
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GR IIIでDB-100を使おうとする方が必ず現れると思います。個人的には、高価なカメラでバッテリーの冒険をすることをオススメしません。私も新品購入したデジカメでは、全て純正バッテリーのみを利用しています。

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AELが無い……OLYMPUS「TG-5」の不満点を5つ挙げる。 パワーリンゴ/ウェブリブログ(2019/03/25)

オリンパスTG-5の「LOGモード」を試した後、一晩でバッテリーが空っぽに。 パワーリンゴ/ウェブリブログ(2019/02/11)

iPad AirにiPad mini、iMacとイベント前にApple公式リークが続く。では本番は?

日本時間3月26日のスペシャルイベントを前に、Apple自らが新製品をリークしまくる事態で戸惑いを隠せません。

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イベントに時間を割きたくないマイナーアップデート製品を事前に発表することは少なからず前例があるものの、待望された新型iPad miniラインナップが復活したiPad Airはイベントの目玉に据えてもおかしくないインパクトを持っています。新世代CPU搭載など順当な処理性能向上に留まるiMacはまぁ、わかりますが。新iPod touchが事前発表されそうな噂すらのぼっています。

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そうなると、否が応でもイベントの発表内容が気になりますよねぇ。もし、ハードウェアやソフトウェアよりも新サービス(特にサブスクリプション制)の展開がメインディッシュとなった場合、Appleが軸足を移す表明とも取れますiPadのラインナップ拡充も、Macの次のコンピューティングというよりサービス消費用デバイスとしてユーザに広く頒布したいのではないか、最近やたらユーザの声に応えたモデルがリリースされるのもそういった意図ゆえか……などと勘ぐってしまいます。

もちろん、それが直ちに悪いほうへ走っているとは思いません。潜在的なものを含めたユーザのニーズがあるならば当然の舵取りでしょう。とはいえハードとソフト、特にMacの発展を第一に望む私のようなファンは、今後寂しさが募るばかりかなぁ、と。


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無印iPadが残ったのは意外でした。でも十分なスペックを持つ最廉価モデルとして、その存在意義は色褪せません。

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記、無駄に長かった全15回のまとめっ。

< ワールド工芸のキットは組み立て後の収納に困る = である調 >


本連載は無駄に長すぎた、すまんのぅ。蒸機とはいえ小さなBタンク、実作業時間はこれまでに手がけた車両と変わらない。さてと、以下にまとめておこう。

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〜 前口上 〜

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その1。キット全容と実物のあらまし。(2019/02/14)

〜 ドリル糸鋸ハンダゴテ 〜

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その2。課題3点とキャブ組みスタート。(2019/02/17)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その3。サイドタンク組み立てと、牽引力不足の話。(2019/02/19)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その4。床板とステンレスエッチングの罠。(2019/02/21)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その5。動力フレームを先に作る理由。(2019/02/25)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その6。緊張のシリンダー工作に水を差すステンレス。(2019/02/28)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その7。肝のボイラー回りはテンパりつつ勢いで突破。(2019/03/03)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その8。ボイラー内ウェイトは銅板の積層でっ。(2019/03/04)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その9。独特のS字シャンクを持つカプラー。(2019/03/05)

〜 実車雰囲気無視の塗装 〜

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その10。まさかの光沢ブラックと謎のマスキング。(2019/03/07)

〜 仕上げ 〜

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その11。モーターケースの黒染めと魅惑の丸窓。(2019/03/09)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その12。動力・ロッド組み立てでもって、完成!(2019/03/11)

〜 写真特集とオマケ動画 〜

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その13。写真特集号第一弾。補重の効果は……。(2019/03/12)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その14。写真特集第2弾。習作のGLも初登場。(2019/03/15)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その15。オマケの走行動画と、ギヤの浅い噛み合い。(2019/03/17)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その15。オマケの走行動画と、ギヤの浅い噛み合い。

< TOMIXファイントラックの軌間がヤバいことに今ごろ気づく = である調 >


またぞろ簡単な動画を撮ってみたゾ。今回はオリンパスTG-5を使ったので、そこそこの画質ながら被写界深度が深くて「頸城のホジ3」より観やすいと思う。ま、動画の腕を磨く気などさらさらないって感じぃ〜。



荒い運転で勘弁してくれ。2周目は途中で増速している。「へっつい + 木曽のAゴンドラ + C型客車」の珍編成も黙って楽しんでいただければ幸いである。この木曽森林鉄道2両は、モデルワーゲンのキットをほぼ素組みしたもの。ただねぇ、よくよく観察すれば、何度かAゴンドラが体を震わしていることがわかる。じつは、C103スーパーミニカーブとAゴンドラの車輪がシビアすぎてレールから浮いてしまうのだよ。スーパーミニカーブの軌間を実測すると、ことごとく9mmを切っておる。それに加えてAゴンドラの車輪が通常より広いときたもんだから、フランジが乗り上げる始末だ。

その13で報告したように、R243のカーブで牽引力テストをしたのも上記理由による。R103ではとても同じ重量を引くことができない。

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ともあれ、走行抵抗が大きくともなんとか牽引できる程度にパワーアップした「へっつい」だが、動力を仮組みした頃より気になる点があった。アイドラーギヤと車軸ギヤの噛み合いが軸方向にずいぶん浅いのである↑ 写真では動輪間の状態が見えないけれど、「第2動輪とその上の掛かり具合」と同等だな。

モーター位置からしてこうならざるを得ないのは理解できるし、車輪押さえを取り付ければ動輪の左右動が制限される。結果、ギヤの噛み合いが外れたり、浅すぎて噛み込んだりといったトラブルも起きていない。そう、実害はないのだけれど……ちぃと気持ち悪い。

なお、牽引力テスト後のチェックにてギヤの偏摩耗等はみられないし、その心配もなかろう。いくら補重したとはいえ所詮26g、真っ先に粘着力が負けて動輪が空転するばかりである。そういう時はパワーパックのボリュームハンドルをさばいて再粘着させたり、一度後退して圧縮引き出しを試みたりと斜め上の遊び方が堪能できるのだと前向きに捉えよう。

あるいは、6.5mmに改軌しやすい動力ともいえる。なにせ左右フレームの半分の幅しか占有していないのだから。けれど世の中うまくいかないもんで、国産「へっつい」機のうち、762mmより狭い軌間で運用された事例が一件もないようだ……お粗末様。




PECOが一番厳しい(といっても9mmキッカリ)と思い込んでいたが、まさかファイントラックの多くで9mmを切っているとは全くの想定外……。特に小半径のカーブは余裕を持たせてほしかった。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その14。写真特集第2弾。習作のGLも初登場。

< 極小GLで補重のバランスを学んだ = である調 >


写真特集号の第2弾は、サイズ比較のために習作の小型ガソリン機関車(GL)も登場するゾ。

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左から「へっつい」、「根利森林鉄道ホイットカム」、「KATO 3t機(カバー外し)旧製品」↑ 全てワールド工芸のキットで、ホイットカム(ホイットコム)はちょうど1年前に作ったな。その間に塗装の上達が見て取れるものの、工作のほうは……進歩しているか微妙じゃのぅ。KATOの製作は昨秋だ。えぇっと、Nゲージ二大巨頭のひとつ関水金属のブランド名と紛らわしいので、以後加藤GLと記す。

実車に関して、加藤GLは製品名から3t、ホイットカムは4tらしいがそれにしては小さい気もする、「へっつい」は3.7t前後。GLのサイズを大まかに示すならスズキ ワゴンR程度かな。なお、私の習作はフリーの要素が強く、どちらも好きな色に塗っている。

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模型では、加藤GLが旧動力2軸駆動、「へっつい」が現行リニューアル動力、ホイットカムが現行簡易1軸駆動↑ これら極小のGLを先に組んでいたおかげで免疫ができ、「へっつい」では小ささが深刻なハードルにはならずに済んだと思うよ、それでも補重に難儀したけれど。

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後ろにモデルワーゲン 「頸城のホジ3」を置くと、スケール違いかと錯覚しそうだなっ↑ 念を押すが、全てHOe 1/87である。ホイットカムや加藤GLはあくまで産業用機関車の範疇であって、鉄道車両というより重機と捉えたほうが腑に落ちるだろう。

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最後は、私が勝手にプラ量産Nゲージにおける一つの到達点と信じて疑わないKATO「C12」↑ C12のスーパーディテールに目を奪われている場合じゃない、もし「へっつい」を1/150 Nナローで再現するならと想像しただけでゾッとするわ。

以上、珍妙なスタイルもさることながら、ソコソコの牽引力と滑らかな走りを持つ魅力的な車両に仕上がって大満足である。なんだかんだいって、やっぱり製品の設計が素晴らしいことを痛感するよ。次のリニューアル時には、是非ともボイラー内ウェイトを加えてほしいなっ。


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Nゲージの2大ブランドがKATOとTOMIXなら、産業用内燃機の2大メーカーは加藤と酒井。

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2019年一発目のAppleスペシャルイベントはIt's sho……あれ?「幕が上がります。」

スペシャルイベントに関するローカライズも積極的に進めてくれるAppleですが、

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『It's show time.』が『幕が上がります。』に化けました↑ 考えすぎた結果なのか、おざなりに決めたのか……ともかく「日本時間3月26日午前2時」の記述は未だに時差計算のおぼつない私にとってありがたいものです。

サブスクリプション制の動画やニュースの配信サービス開始が噂されているものの、アメリカではどのサービスが始まっていてどれがまだなのか把握できていません。ニュースの講読ってまだでしたっけ? いずれにせよ同様のサービスが日本で始まるか否かがキモですからねぇ。

iPadの新製品は順当でしょう。私の持つ第5世代より春に発表される無印iPadは、iPhone SEのような位置付けで存続するのかなと思います。ただ、一部のユーザが待ち焦がれる新型iPad miniが本当に登場し、その仕様如何では無印が吸収される可能性も否定できません。しかし私のテケトー予想では、筐体サイズそのままで大型化したフルスクリーンを持つ、Face ID搭載iPad Pro準拠の高機能miniとしてリリースされる気がします。

なお、個人的にはあさっての方向の「とあること」を望みますが……まず無理っぽいので隠しておきます。


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無印とProの価格差が極端ですからね〜。

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その13。写真特集号第一弾。補重の効果は……。

< カーブ途中での引き出しもOK = である調 >


例によって写真特集号だが……だ、第一弾だとぉっ。

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念を押そう、本車はHOナロー(HOe 1/87 9mm)である。カプラーを含めない全長が5cmに満たず、ともすればNゲージの小型タンク機に間違えられそうだからなっ↑


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公式側の真横より↑ まさに地を這うような車高の低さが一番のチャームポイント。ほれ、黒染めしたモーターケースはどこへいった? 私には全然見えないゾ。こいつは裸の王様と正反対、本当は存在しないのに頭の回転がちぃとばかり早い人間には見えてしまう不思議なパーツ。

他方、同じ黒染めのカプラーが目立ち気味なのは否定しない。特異なS字シャンクに加え、屈曲が終わったところからカプラーピンに至るまでが長すぎた。ま、そーゆーこともあるさ。

実物のイメージから果てしなく遠い光沢ブラック仕上げだが、サイドタンクの平らな天面やキャブ裾のカーブも手伝ってグランドピアノを想起したのは私だけか、さよか。

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薄いステンレス枠の丸窓も素敵なアクセントである↑ 人によっては、いわゆる「ブサカワイイ」に属するタイプかな。枠を白に塗らず、黒と銀のツートンにまとめて大正解ではないか。異論はことごとく却下だ。

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うってかわって無骨なキャブ後妻↑ カプラー直上の四角いモールドは、停車時に開いて火室内へ長い(つーか常識的なサイズの)火かき棒を突っ込むための蓋らしい。

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「余分なハンダもウェイトの足しに」とばかりキサゲ作業をサボった裏側、いつも以上に汚いけれど恥を忍んで晒そう↑ カプラー取り付けネジは後で黒く塗っておいたよ。そういえばサイドタンクの後部がかかる床板に穴が開けられていて、結局使わずじまいだった。

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頑張った補重の結果は……26g↑ えーと、キット素組み時の質量がわからないので正直なんともいえんのぅ。機関車として絶対的に軽いことは認めるが、平坦線かつR243の小判形エンドレスにおいて、合計重量111gの客貨車を問題なく牽引することができたのだっ。しかも、恐ろしく静音で低速も結構効く。HOナローのトレーラーを総動員したため、残念ながらこれ以上の負荷テストは適わない。私の技量がどーのこーのと自画自賛したい前に、本車のポテンシャルがもとより高いことを思い知ったわ。結論、補重すればM付きキホハなど要らん!




当初は軸受の鳴きがひどかったので、接点グリスをほんの一差しすると劇的な改善を見せた。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その12。動力・ロッド組み立てでもって、完成! パワーリンゴ/ウェブリブログ(2019/03/11)

ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その12。動力・ロッド組み立てでもって、完成!

< 極小パーツは面倒でもピンセット先端に両面テープを貼って飛ばしてしまうのを回避すべし = である調 >


蒸機下回りの最終組み立てはせっかちな性分に合わないらしい。「慎重だがせっかちなタイプと大胆だがのんびりなタイプはどちらがモデラー向きか?」などとつまらない禅問答でも思い浮かべて心を落ち着かせようジャマイカ。

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動力フレームにギヤをネジ止めし、絶縁ブッシュを介して非公式側フレームを取り付ける↑ このフレームはネジ穴のマージンだけ動かせるため、最終段階での調整しろが増えたといえるな。私のようなへっぽこモデラーには嬉しい仕様だ。一方その7で注意したように、皿ネジの頭がボイラー裾に当たりやすい。

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ウェイト・モーター・シリンダーユニット・輪心・ロッド類が付いちゃった↑ この間の写真がゼロ、すまんのぅ。ロッドの組み立て・調整はさほど難しくなかったものの、案の定、前後輪心の位置を揃えるのに手こずったわ。とにかくギヤのバックラッシュが積み重なって、第一動輪の遊びが増幅されるのだ。個人的な都合上「へっつい」は逆機運転の頻度が高くなりそうだから、前進に最適化するわけにもいかぬ。遊びのせいで右90度先行の位相合わせもなかなか決まらない。幾度も調整を重ねた末「もうこんなもんだろ」と妥協して適当に切り上げた。

ところで大事なことを言い忘れておったよ。メインロッドとクロスヘッドがメーカー組み立て済みで本当に助かるっ。模型の極小のカシメってやつは、上手くいくときはアッサリ出来ちゃうのに、そうでないときはドツボにはまる厄介極まりない代物だからな。いや〜ありがたいありがたい。ここはひとつワールド工芸様を十二分に持ち上げておいて、今後全ての蒸機キットがカシメ済みになるよう云々……。

ロッドピンに関しては輪心のモールド穴が浅く、説明書どおりφ0.6ドリルで深く掘り直す作業が必須となる。ただ日本型Nゲージ蒸機と比べれば、クロスヘッド周辺と接触しやすい第一動輪でも少々の余裕があり、シビアさではまだマシだと思う。とはいえ模型でも最小クラスの部品、うっかり飛ばすと4次元に消えるので油断禁物。

モーターの取り付け自体に難しい箇所はない。モーターケースと接着する旨記されているが、非公式側より締めるネジ1本で事足るだろう。しかるに、いつになく楽観的だった私はワールド工芸の動力を信じ、最後まで通電試走しなかった。おかげで見事にバチが当たって、その5で述べたごとくウォームとウォームホイールの噛み合いが深すぎるのをこの期に及んで突きつけられた次第である。回転に支障をきたさない程度で済んだことは単なる幸運だった……と今は反省している。

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最後にカプラーをネジ止めした上回りと下回りをドッキングして、ついに完成だイエーイっ↑ おっと、ヘッドライトが黒いままで画竜点睛を欠いておるな。あとでエナメルの銀を差しておこう。いやはや自分で慎重などとうそぶくヤツほど危なっかしい。私は「粗忽なせっかち者」以上でも以下でもなさそうだ、トホホケキョ。


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本書では逆機(逆位)運転についても触れられている。転車台がない路線のタンク機で行われるのは珍しくないようだが、併用軌道の「へっつい」は救助網の取り扱いに試行錯誤したとのこと。キットにはエッチングの救助網も含まれている。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その11。モーターケースの黒染めと魅惑の丸窓。

< 窓というより換気口 = である調 >


いよいよ最終工程だ。蒸機は動力の調整がシビアになりがちなので、最後まで油断できぬ……と毎回同じようなことを書いている気がする。

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モーターケースのマスキングを取った図↑ 動力フレーム全体を黒染めしたほうが楽に決まっているが、「モーターケースの異物感」を際立たせるには面倒でも塗り分けるべきだろう。

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「いさみや常温黒染液」にて、モーターケースとカプラー関係を黒染めする↑ この写真ではまだピンとこないかも。大丈夫さ、完成の暁には手間に見合った効果が必ずや……。

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また、軸受付近の塗装を剥がして集電を確保↑ 本機のように、ワールド工芸のリニューアル動力は集電ブラシが割愛される場合も多く、普段より丁寧に塗膜を除去しておく。車輪押さえのU字部分を丸々剥がしても動輪に隠れるので問題ないどころか、走らせると動輪裏側がバチバチ接触するはず。2000番以上のペーパーかラッピングフィルム(包むほうじゃない)で磨き倒せば完璧だなっ。

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「へっつい」のマヌケ面をアクセラレートする丸窓に、ステンレスエッチングの枠を未塗装で接着した↑ 説明書には「白に塗れ」との指示があり、組み立て見本でも実施されている。けれど白じゃ目立ちすぎるし、他の銀色パーツと揃えたほうが綺麗にまとまるだろうと考えてステン地のままとした。

その際、ようやくゴム系接着剤の正しい(?)使い方をマスターしたゾ。納豆のごとく鬱陶しい糸引きはラッカーシンナーで接着剤を薄めれば解消できるのだ、知らんかった……。薄めたゴム系を枠の片面に塗布し、元の粘度に戻るまでシンナーを飛ばす。なお、作業中の枠の保持は両面テープを貼った竹串などが好適だろう。薄く均一に接着剤が残った状態なら、素晴らしい仕上がりが約束されるってもんだ。

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サイドタンクを床板に接着する↑ ウェイトが詰まってそれなりの強度を要することから、エポキシ接着剤を使った。これで上回りがズッシリしてくる。

*****

ところで前妻の丸い窓、円の垂直方向の直径を軸に回転して開閉するらしく、開いた状態の写真も多く残っている。変態度を効率的にUPできそうだから再現できないものかと悩んだが、窓枠と妻面がほぼ点でしか接しないことや、妻面側の加工をしくじるとその点すら危うくなるなどを懸念して今回は諦めた。ちなみに窓セル貼りは端から放棄している、えぇ〜〜。開いた状態はおろか、キットどおりの閉じた状態すら最初から貼るつもりはなかったんだよ。なぜなのか誰が決めたのかさっぱりわからないけれど、蒸機の窓はガラスがなくても許容されるってね、テヘ。


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コニシにはGうすめ液Zという専用品も存在するが、だったら最初から薄めた別製品を販売してくれよと思ったり。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その10。まさかの光沢ブラックと謎のマスキング。

< 欧州のカラフルで美しい蒸機たちはモデラーにとって地獄に違いない = である調 >


毎度おなじみ苦手な塗装ターイム。でも模型を塗るときほど、日本の多くの蒸機が黒一色でよかったと心底思える瞬間もアルマーニ。

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下塗りは迷うことなく「いさみやカラープライマー(黒)」↑ このプライマーのみを重ねて仕上げることも可能と謳われているけれど、価格がバカにならないので私にはできない。

さて、動力フレームのモーターケースがマスキングテープとゾルでマスクされているのがおわかりだろうか? これぞまさしくその2で掲げた「3. キャブ内を占有するモーターケースの存在感を薄める」課題への回答だよっ。詳細は後述しよう。

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次にクレオス黒でひたすら塗りつぶす↑ ホント、複雑なマスキングが不要なぶん楽っちゃ楽なんだが、凹凸や隙間のやたら多い蒸機は塗り残しの根絶にずいぶん神経を使ったわ。これに懲りてタミヤのエアー調整バルブを発注したよ、「へっつい」には間に合わなかったけれど。

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黒塗装を終え、サイドタンクに「キ21」のメタリックインレタを転写する↑ やはりワールド工芸のインレタはベースフィルムから離れやすくて助かるわー。もともと特定事業者の特定号機に仕立てるつもりはなかったものの、黒一色じゃあまりに寂しく、車両番号だけなら別にいいじゃんとの勝手な都合による。ずいぶん特徴的な車番だがなっ。

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今回は仕上げに関して決めておらず、塗装の成り行きで判断することと相成った。まぁ「半光沢〜つや消しの間かな」と見当をつけていたところが、ピカピカの黒塗りを眺めるにつけ「こ、このツヤが眩しすぎる」などと乱心……じゃなくて元来の光沢好き好き病が現れたにすぎず、結局ツヤありクリアーでトップコートしちゃった、テヘ

さらにウェザリングも無しときたっ。実車のイメージとかけ離れた処理に多くの人が違和感を持つであろうが、余は満足じゃ。ブラス蒸機のグロスブラック仕上げをやってみたかったんだよぅ

*****

気を取り直して、モーターケースのマスキングである。ワールド工芸の「へっつい」完成写真では、キャブ内のモーターケースも車体と同じ塗装が施されている。そのためモーターケースが実車にも存在するような錯覚を引き起こしかねない。下品な表現で恐縮ながら、当初私はこのキャブ回りが男子公衆トイレとその個室に見えてしまった。

そこで考えたのは、モーターケースが模型固有のものであり実物には存在しない、と逆アピールする方策なのだ。したがって他と同じ色には塗らず、マスキングを剥がした洋白地をわざわざ黒染めして模型の動力パーツであることを強調する。私のテケトー予測だと、鉄道模型を見慣れた人ほど「黒染めの異物は見なかったことにしちゃう」自動補正が働いて効果的……かも、きっと、たぶん、だったらいいなぁ〜〜とかぁ。




黒光り蒸機は金属製の特権……と思っていたけれど、KATOの記念C50があっさり覆してしまった。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その9。独特のS字シャンクを持つカプラー。

< 実物のシャンクはもう少し複雑な構造 = である調 >


本連載がいつも以上にスローペースなことに気づいた。ま、いいか。その2で挙げた残りの課題も忘れそうだ。

えーと、「2. モデルワーゲン朝顔カプラーシステム対応」だったなっ。「へっつい」の連結器(カプラー)はもともと非常に簡易な形状であり、さらに納入の際は事業者ごとのカスタマイズ(ないしは事後に改造?)を受けてバラエティに富んでいる。

そのような中、本キットオリジナルの「キ21」はどうなっているか? カタチは一般的な朝顔カプラーである。しかし極端に低車高なので、そのまま取り付けるとカプラー位置が下がりすぎてしまう。よって、首の部分である連結器胴(カプラーシャンク)をS字に曲げてカプラー先端の高さを確保しているようなのだ。

この鎌首をもたげた姿はキットに含まれるダミーカプラーで(かなりオーバーに)再現されるほどのチャームポイントゆえ、モデルワーゲンシステムの対応化においてもそれっぽく作りたいではないか。

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ついては、t0.5真鍮板より帯を切り出してS字に曲げ、独特のシャンクを表現。これにモデルワーゲンDL用首振りカプラーを適当に削ってハンダ付けした↑ 早い・簡単・質はそこそこ……と我ながら久しぶりの快挙である。

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取り付けも、DIY店で見つけたメガネ用段付きネジを用いることで楽に解決したゾ↑ 重ね順は上から、付属ワッシャー・カプラーシャンク・リン青銅線を輪に曲げたスプリングワッシャもどきである。

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さて、ひととおり部品を作り終えて少し色気を出したくなった。作業途中の仮り組み時に、何もないスカスカの動輪間が気になっていたから、ロスト製のブレーキシューを車輪押さえにエイヤと引っ付けた↑ このパーツは「根室拓植のちどり号」から切り取った廃品である。当然ながら実車は全動輪の前位置にブレーキシューを備えているけれど、第一動輪用はスペースを確保できないので潔くオミットした。

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以上をもって塗装前工作が全て完了したぜベイベー↑ ご覧のようにサイドタンクは塗装後に接着する。本当は先に付けたかったのだが、タンクとボイラーの隙間に塗料をしっかり回す自信が皆無だったのだ。悔しいが……この判断はのちに大正解と判明する、うーむ。


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糸のこやヤスリがけが心地いいのは、やっぱり真鍮。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その8。ボイラー内ウェイトは銅板の積層でっ。

< ハンダ鋳造に挑戦する気力までは出せなかった = である調 >


前回のボイラー取り付けでもって役者が揃ったから、メインディッシュのボイラー内ウェイトに取り掛かるぞよ。

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材質選びと工法に迷った末、t1.0銅板の積層で挑むことに↑ 比重を考えれば鉛板を使ったほうが有利に決まっているが、柔らかすぎてネジ止めに工夫を要することや、ウェイトそのものも剛体として動力フレームの補強につながれば一石二鳥と考えた次第だ。それでまぁ、僅かな差でも真鍮よりは比重が大きかろうってことで銅、どう?

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だが、思いのほかボイラー内は狭かった……積層といいつつ、2枚重ねていっぱいいっぱい↑ しかもギヤの突出を避ける意図で中間部を丸々省いた。また、前側はシリンダーユニットのt0.3真鍮板が動力フレームとウェイトの間に挟まるため、後ろ側へt0.3真鍮板を足して高さを揃えている

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余計なハンダをキサゲて、銅板の角を落としボイラー内壁に合わせる↑ ご覧のように、ナベネジの通る穴を段付きにした。前側の穴がシリンダーユニット固定ネジと兼用で、後ろ側がその5で触れた、動力フレームに増設したネジ穴と合う寸法。

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実際に動力フレームへネジ止めしてみよう↑ 真鍮・洋白・銅のトリコロール……派手だな。

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真横から↑ ギヤの逃げを取りすぎたかもしれんが目をつぶってくれ。このウェイトを手のひらに転がしてみても重量感が極めて乏しいんだけれど(ウェイト単体の重さを計り忘れた)、少なくともこいつが入るだけのスペースがボイラー内に存在するってことだ。できればメーカーでホワイトメタル製のウェイトを用意してほしいところだわ。

さて、今振り返って検証するとだね、動力フレームの補強材としては大した意味を持っていないと思う、えぇ〜〜。もともとフレームの剛性が高いし、ウェイトとボイラー内壁の隙間がほとんど生じないので、もし固定が緩んでも内部でウェイトがぐらつくには至らないはず。ゆえに、ネジ穴を増設してまで後部のネジ止めにこだわる必要はなさそうだ。し、しし、失敗も無駄も勉強勉強!

裏を返せば、キット素組み品やメーカー完成品に同様のウェイトを後から仕込むのもわりと簡単にできるわけだよ。唯一、サンドドームの足を削り取らねばならない点が「完成品本体無加工至上主義」者にはネックといえるか。なお、煙突の足は干渉しなかった……というより、ウェイトを煙室戸パーツに当たるギリギリまで伸ばすと分解が大変になってしまうのだ。したがって、煙突の足の直後にウェイト前端が来る状態が望ましい。こーゆー按配は実際に組み立ててみないとわかりにくい点だなぁ。

以上で補重工作の山場を越えたゾ。残る課題はモデルワーゲンカプラーと、何だったっけ?


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銅板の切断は真鍮よりねちっこいがアルミよりはずっとサクサク。

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ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その7。肝のボイラー回りはテンパりつつ勢いで突破。

< スチームドームではなくサンドドーム = である調 >


いよいよ蒸気機関車の心臓部たるボイラーを据え付ける。「おいらはボイラー」……し、CMに罪はないよなっ。

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ボイラーの丸めを修正し、煙室戸パーツを前に差し込んでから、床板とキャブ前妻に合わせてハンダ付け↑ なんとなく、床板とボイラー裾の隙間は埋めずにおいておいたが、べつに埋めても外からほとんど見えず問題なかったわ。ただし、裾をできるだけ外に広げておかないと、動力部の左右フレームをつなぐ皿ネジの頭が干渉してしまうので注意。

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煙室戸回りは、ちょんちょんとパーツを乗せていけば形になってくれる↑ ヘッドライトの支持が独特で実物とも異なっている気がするものの、これはこれでイイ具合だ。

平べったい車体と対照的に高く伸びる煙突は、煙突スカートを挟んでハンダ付けする。煙突さえ真っ直ぐ付けば他がボロボロでも許してもらえる(は?)ほどのキーポイントゆえ、写真を撮る余裕などあろうはずもない。最高にテンパった挙句どうにか形にはなったが、完璧とは言いがたいのぅ

ペラペラのボイラーが幸いしたのか熱の回りが限定的で、煙突根元に長時間コテを当てても他のハンダが溶けることはなかった。おかげで何度も修正できた次第だ。

さて、蒸機といえば、たくさんの管をボイラーに這わせるパイピング作業が華(あるいは地獄)だろう。ところが「へっつい」は実物も模型も寂しいもんだ。その代わり、配管形状が特徴的な上に個体差が著しく激しい。本キットのオリジナルが大日本軌道伊勢支社(のち中勢鉄道)「キ21」なので、それに準じたカタチを目指そう。

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キット付属のφ0.4真鍮線で2本作り、メルカリちゃうメリハリを出すため手持ちのφ0.6で1本作成

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これらの線材を妻板からボイラーに渡すのだ↑ いくら図面を見ても、各配管の役割がようわからんちん。丸窓の横から下に垂れる2本をオリジナルに合わせて非対称に曲げ、ささやかな個性を演出した……つもり。

アウトフォーカスながら、煙突の様子もご覧いただけよう。「らっきょ」と呼ばれた先端の火の粉止めも、実車の形状はバラエティ豊か。おっと、煙突の穴へは忘れずに網目模様のエッチング板を貼っておく。私はおとなしく瞬間接着剤で固定した。

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最後にホワイトメタル製のサンドドームをボイラーへ接着↑ ディテールアップする予定はなかったんだけれど、砂撒きの作用ロッドだけφ0.3リン青銅線で追加した。「だったら砂撒き管も作っちゃえよ!」てな話だが、サイドタンクと干渉したら面倒だしぃ〜、実物は変な形のカバーが付いていてチョー面倒だしぃ〜。

ところでワールド工芸の説明書にてスチームドームと記されている本パーツは、サンドドームが正解で間違いない……はずメイビー。この機関車、キャブ内の火室上部が一段盛り上がったところに蒸機溜めがあるようだ。実際、その天面から安全弁や主蒸気管が生えている。キャブ内に安全弁とは恐ろしい構造で、さすがに天井まで抜けた筒状の安全弁覆いを備えた仕様が一般的だったらしい。けれど、どういう理由か「キ21」は最後まで装備されなかった模様。

とにもかくにも、上回りは以上で完成だっ。次回は、ボイラー内の空間に載せるウェイトの作成である。ついては、ウェイトと当たらぬようサンドドームの長い足を削り取っておこう


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多くの車両が紹介されている本書でも、2つとして同じ形状の配管を持つ個体が無いのではないかと思うほどバラバラ。位置・曲げ方・本数・太さの違いに加え、移設or撤去後の穴が妻板にボコボコ開いたままのみっともない姿が散見される。

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