ワールド工芸「低重心超小型機関車 へっつい」製作記その1。キット全容と実物のあらまし。

< 世の中には初代龍ヶ崎鉄道2号機なる伝説もあるとか = である調 >


2019年一発目の鉄道模型ネタは、ご期待どおり変態度高めの逸品である。ワールド工芸のHOナロー『大日本軌道 キ21「へっつい」』蒸気機関車だっ。

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ラベルに印刷されたサムネイルから妖気が漂う↑ 私には珍しく現行品のキットとなる。

軽便鉄道史における国産蒸気機関車の嚆矢ともいえる存在なのに、どうやら製品化はワールド工芸が初らしい。いくら小さいとはいえ、ずいぶん軽視されたもんである。同社にとってはOナローでもリリースしちゃうほど気に入った題材らしい。

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予備パーツを含めたキット全容だ↑ 相変わらずのエッチング三昧……じょ、蒸機にしては部品が少なめでたた、た、助かったぜぃ。ボイラー・屋根・サイドタンク・シリンダーなども曲げ済みと、ありがたくて拝みたくなるぜぃ。真鍮挽物の煙室戸と煙突が美しいのぅ。

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はてさて天下のウィキペディア様にすらまとまった記事がなく、何から説明すればええのやら途方に暮れるな。簡単に述べると、本製品のオリジナルは1908年に雨宮鉄工所(のち大日本軌道鉄工部、のち雨宮製作所)が製造し、同伊勢支社(のち中勢鉄道)が1943年まで運用した21型蒸気機関車「キ21」ということになろう。ただし、この低重心小型軽量スタイルは熱海鉄道が輸入した米ボールドウィン製特注機関車を元祖として、当時の新興国日本が全力でコピーした代物。池貝鉄工所・越中島鉄工所・石川島造船所が先行し、当の雨宮は後発だったらしい。

そもそも熱海鉄道の脆弱すぎる軌道に合わせて、極端な軽量化と低重心化(つまり軸重を限界まで落としつつ牽引力と安定性を確保するってことか?)を図った結果の姿であって、少なくとも大日本軌道の運営する路線ならそこまでの軸重軽減は無意味と思える。ま、ソ連がB29のコピーを作った際の逸話にしろ、先達の仕事をパーフェクトに真似ることから大成への道も開けるのだっ……今同じことをすれば貿易戦争になるやもしれんがな。

ちなみに「へっつい」なる不名誉な愛称は、志賀直哉がその全責任を負うところである。彼が2篇の短編小説を残さなければ、当時はおろか現在に至るまでへっついなどと呼ばれることもなかったろう。


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これも「へっつい」に関して唯一まとまった資料ではなかろうか。

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